古典新訳

「国語」の話

国語科の教員であるKさんよりご寄稿いただきました!

国語って、一体何なんだろう?

学校で授業を受けているときは、教材を読むのに精一杯で、なかなかじっくり考えることができません。
そこで、この休業期間を利用して、国語について考えてみませんか。

個々の教材についてではなく、国語という教科全体を眺めることで、見えてくるものがあるはずです。
「立ち止まって見渡す」ことは、これまでの道のりと、これからの道のりを明確にしてくれます。
国語という教科を見渡すため、以下の図書をおすすめします。

石原千秋『国語教科書の思想』(筑摩書房、2005年)

 難易度★★★☆☆

 対象:中学生~教員

「現在の国語という教科の目的は。広い意味での道徳教育なのである」
国語の教員の間では有名な本です。
国語教科書の教材の選び方には、ある「目的」が隠されている・・・
学校で先生の解釈に納得できなかった経験を持つ生徒の皆さん、
この本で「国語」の正体について考えてみませんか。

石原巧『「国語」入試の近現代史』(講談社、2008年)

 難易度★★★★☆

 対象:高校生~教員

「八代集の名前を年代順に列記せよ」大正15年の東京帝国大学の入試問題です。
ずいぶん単純?に見えますが、実はこのころの国語入試はほとんど古文でした。
現代文・小説・古文漢文という、大学入試の国語が、どのようにできあがったのか、明治時代からさかのぼって説明する本です。
実際に出題された問題と、その解答例も書かれているので、参考書としても使えるかも?

イ・ヨンスク『「国語」という思想』(岩波書店・2012年)

 難易度★★★★★

 対象:大学生~教員

「国」の言葉と書いて「国語」。「日本語」ではありません。
「日本語」は、ふだん私たちが話す言葉ですが、「国語」は違います。
つまり、「国語」とは、ある目的のために人工的に作られたものである・・・

この本は、様々な思惑と思想の中で、「国語」というモノが作り出されていく過程を説明しています。
難しい専門書ですが、当たり前の存在だった国語が人工物であった、という事実を見せてくれる、スリリングな本でもあります。

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